2020年7月1日水曜日

アイリッシュデイ

初めてニュウヨークに行ってから随分になる。

何もかも初めてだったからオドオドビクビク

だったろう。

ラ・ガーディア空港と言ったか、空港に迎え

に来た商社の車でマンハッタンのセンター

ステイション裏のキタノホテルに夜遅く着い

て、何か食べようなった。

同行は機械屋のTKさん。

もう空いている店はバーしかなくデイビッド・

カッパーフィールドという大きな丸囲み看板

ドアーのバーに入った。

中は満員で、座るテーブルもなかったが、

何とか小さい丸テーブルを用意してくれた。

家族ずれも多いように見受けられた。

ピアノバーらしく、老紳士が弾くピアノで

男女の歌手が代わる代わるセミ・クラシック

の歌を歌う。

そのうち休憩タイムになりピアノのオジサン

がポロンポロンと何か弾いている。

僕も茶目っ気を出して、ピアノ脇に行き

「何か歌っていい?」ってオジサンに英語で

聴いた。

「シュア、何歌う?」「アイリッシュ・ララバイ」

フランク・シナトラの歌だ。

「ラア・ラ・ラ・ラ・ララ~ラ~・ラ・ル・

ラバイ~」歌詞は短いが、正確じゃない。

何とか歌ったら、大受け。

周りのテーブルから東洋の男が招かれる。

スカッチン・ワラー(水割り)はどんどん

注がれる。

どこから?何をしに?どこへ?次々問われて

いるうちに親睦になった。

翌日の日曜日、二人でタイムスエアの方に

行ってみた。

町は大賑わいで緑色のバッジに緑の服の人

たちが大勢いるし、そのうち楽隊も次ぎ

次にやって来る。

もみくちゃになって群衆の流れに乗って

いたら、暗くて大きいカテドラルの中に

入ってしまった。

セント・パトリック教会だった。

昨日デイビッド・カッパーフィールド・

バーに集まっていた人たちは、全米から

のアイリッシュ家族だったのだ。

怖いほどの偶然ではあったが、今では

横浜でもパレードが出るほどファミリアーな

お祭りなった。