⑮
[Please excuse our appearances
during construction]
有名なスミソニアン宇宙航空博物館入口付近の
スロープ工事の現場に掲げてあった横広の立て看
板である。
つまらないことに何を感心しているのかと語学力
を笑われそうだが、僕にとっては「これだから英
語が好きなんだ!」ということになる。
この場合、日本語の看板だと「工事中お見苦しい
点ご迷惑をおかけしております。ご容赦のほどお
願い申し上げます」か「工事中でお見苦しいと思
いますがご容赦ください」程度だろう。
日本語では、お見苦しく感じるのはあなたであっ
て、もしいやなら許してよ、という日本語的責任
回避表現に思える。
だから日本語日常会話に使わない語をもちいる。
「工事中で外観を損なっています。どうぞしばら
くの間お許しください」と責任逃れないスミソニ
アン風ににきれいに書くような国にしたいものだ。
でも、イタリアでも、USAでも、常設展示は皆無
料で見ることができるし、写真撮影だって許され
る。
司馬遼太郎さんではないが国のかたちということ
を考えさせられる。