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斜塔を離れると、そこは中世からの大学の街で
ある。
旧市街の中心になる所に大学本部の建物があり、
狭い石畳の道の両側に続く古い石の建物の小さな
扉の奥は殆どが大学のカレッジである。
思い思いの学生が出たり入ったりしている。
自転車やバイクや徒歩。質素だ。
斜塔がこちら側に傾いているため手前の建物
の上からのぞき込んでくるように思える。
そこでは騒々しい観光客の姿は蒸発している。
グランドホテル・デュオーモはこの斜塔の
見える街角にあり大学の中心の入口に当たる
所である。落ち着いた良いホテルである。
路地のような大学街を抜けると大きい川の
ほとりに出て、向こう岸は新市街である。
交通量も多く活気があり中世の斜塔だけの
田舎町ではなく、イタリアでも大きい方の
街だということわかる。
翌日バスでラ・スペジアというピサの北
約一時間の街にあるオットー・ブリーダー社
という大きい国営企業傘下の工場を訪問したが
その後、特急列車でローマに向かう時、特急列
車がピサに停車した位に大きい街である。