前々から、駅前のIU歯科医院に通
っていた時、院内ポスターに「歯科の
訪問診療案内」があって、他人事と思
って漠然と眺めていたが、こんなに直
ぐ自分事になるとは!
長年通っているその歯医者さんは
東京医科歯科大出身の院長以下、その
後輩たちが診療する診療台が4台ほど
並んだ完全予約制である。
院長先生は大声の歯にモノ着せぬ言
い方のガラッパチ先生に見えるが、腕
の確かな先生だと見える。
それが証拠に、弟子の先生たちも仲が
良く、腕が良い。
経験上、処置した虫歯、入れ歯は問題
が残ったことがない。
最近の脳梗塞再発で歩けなくなった
上、構音障害とこれに伴う誤嚥現象が
出た僕は電動車椅子から降りて歩くこ
とが難しい。
団地にあるその歯科は玄関直ぐに框(
カマチ=床の先端)の床で、カートで
玄関先に行けても床の診療台に辿り着
けない。
歯科医院を変える案もあろうが、長
年のカルテがある歯科を代えられない。
初めて本日、従来からの担当である
長坂女先生と助手さんが診療に見えた。
パソコンに入れた想定問診を合成音
で読み上げてくれるソフトで、虫歯状
況の話を聞いて貰って診療が始まった。
診療の基本のレントゲン撮影はどう
するのだろうと心配していたが、僕が
魂消たことに工具箱程度の大きさの女
先生が持ち上げることが出来る重さの
簡易レントゲン撮影機があるのだ!
19世紀末にレントゲンがX線を発
見して120年余の今、あの高電圧を掛
けて発生させていた大きい装置が携帯
の現実になっている!
僕の勉強が足りないのも確かだが、化
石人間ギャートルズ、時代遅れを悟っ
た。