2013年6月30日日曜日

今年も同窓会

GM同窓会があった。現役の若手から80歳台のシニアまで、会社の技術部の同窓会というのも珍しいのではなかろうか。しかも、数
少なかった設計補助員の女史2名を含め50人も集まるのだから凄い!
80歳の昔部長だったシニアも、現役時代は随分と激論を戦わして軋轢もあったが、今は偉ぶらないのをはじめ、みんな平等だ。
歴代の幹事チームが 今年もやってくれて、来年からもやるかどうかのアンケートをとったら、全員が存続希望だというから愉快だ。

老いも若きも現役中は新島や北海道静内などに技術試験で同じ釜の飯を食ったし、部門的には会社でも特異な部だったから、団結意識も強かったのだろう。
しかし、何と言ってもリーダーたちの頭の良いリベラルな人格がモノを言っているのだろうと思う。
防大出身のメンバーも含め、みんな上品だ。
会場の崎陽軒の担当・接待の男女の方たちも、格段のマナーに驚くほどで誇らしい。手前味噌ながら、さすが東芝といって良い。

今年は開発の当初から20年以上経つ機材の現状までの様子をスライドで説明したり、歴史クイズを作って、優勝チームには特別料理が振舞われるなど、さすが幹事チームと唸らせる。

2013年6月5日水曜日

思い出・新田原基地(宮崎県)

  自衛隊航空基地の防空の一つに、短SAM地対空ミサイルシステムを開発中の話だ。
我々の担当するFCS(射撃管制装置)のレーダーは侵入して来る対地攻撃ジェット戦闘機などの目標航空機を、遠方で発見し、ミサイル射程内に入るまで追尾し、射撃(撃つ)管制をする。
 昔は目標を捜索するレーダー、目標を追尾するレーダーが別々に必要だったが、今では機械的にはアンテナを固定していても、電子的にアンテナビームの向きを制御することにより、1台のFCSで捜索・追尾・射撃など多機能をやってのける。しかも、多目標に対してである。
 昔ロンパリ眼といえば、右目がロンドン、左目がパリを向いているようにミサイルを同時に右左2機の目標に発射することもできる。

 目標機が進入するときは、なるべくレーダーの死角を狙って低空を飛行することも多い。
レーダーはクラッターといって、レーダービームが低空に向いた時に拾う地上反射信号が目標機からの反射信号と交じり合うので、目標検出・追尾が難しくなる。
しかも追尾(トラッキング)モードでは、目標機飛行コース空間の中に点在するのだ

 この機能をジェット実機の飛行で確認する飛行試験を航空自衛隊新田原(九州ではこれをニュータバルと読む) 基地で行った。
ジェット機を1マッハ近い高速で低空を飛ばすのはただでさえ難しいのに、低空を飛ぶ時の人家への影響もあり、基地のI-1佐司令が、自ら飛んで下さった。

 我々は、基地の滑走路の奥の外れに機材を設置し、脇にハットメントという名のレンタルの計測小屋に計測器を並べて計測する。

 確か、梅雨時で、低空飛行が可能な視界と、基地の運用スケジュールとの調整や、我々の機材の状態との調整の他、あの年は日向灘近海でのジェット機事故があって航空停止などがあって、わりあい長い間、JR新田原駅前の旅館に滞在した覚えがある。

 ある日、試験中のレーダーの前方から、1mはあるかと思われる、まあるい酒屋の軒の杉球のような物体が、ふわふわと飛んで来た。
何かと思ってよく見ると、ミツバチが固まりになって飛んでいるのだった。
飛んでいく先には、レーダーもあり、運動場の側に植えられた南国風な街路樹もあり、止まりそうでも止まらない。
あれよあれよと見ている間に、講堂の向こうまでヨタヨタと飛んで行った。

後で聞くと、あれがミツバチの分封で女王蜂と共に、集団分離したのだと言う。
ミツバチたちに新しい巣箱を用意してやると、また蜜が採れる。