2021年2月16日火曜日

(71)草枕スケッチ帖⑫



 ローマは2度目の来訪である。


あのとき、帰国したら是非イタリア語を勉強しよ


うと思ったものだったが、喉元過ぎれば・・・で


ある。情けない。


ラテン語をかじればラテン系語を理解できるので


はと、ラテン語の有名テキストから始めたのが、


そもそもの間違いだったのだ。自分を知らないの


に程がある。


せめて、イタリア語の基本単語帳だけで良かった


のだ。


2度目の旅は心理的に少し余裕がある。


もう一度行ってみたい所と、もういいや、という


所がわかる。


今回は、日本人がやたら目に付いた数年前の前回


と違って、韓国人と中国人などアジア系の人が断


然増えたという印象である。


外見はさほど違わないが、元気が良いのと目の輝


きが違う印象だ。国の力が付いて来ている表れだ


ろう。


それと、バチカンに参詣する姿勢も違うようだ。


キリスト教徒にとってバチカンは絶対の信仰対象


で、これを冒涜することは許されない。


国は違っても宗教心のある国の人は、他の宗教の


聖堂を鑑賞するにしても、何が冒涜に当たるかを


知っているから節度があるように思うのは、気の


せいか。


ついに、ピエタ像はガラスの中に入ってしまった


し、係の人の誘導も厳しくなった。