2021年2月21日日曜日

(73)草枕スケッチ帖⑭


      

       ⑭


午後ホテルに戻ってパリエアショウで知り合った


北海道の真鍋さんの旧友というC.ボツホルドさん


にワシントンに到着の挨拶をしておこうと思って


オフィスに電話をしたら「残念です。この五月に


亡くなり(パスド・ア・ウエイ)ました」という。


パリで 天啓とも思える偶然のお知り合いになった


とき確か七十四歳でいらっしゃったので残念だが


無理もない。早速彼の旧知の友人、北海道の真鍋


さんに電話を入れた。パリ以来、写真と文通のお


付き合いだった。アメリカの輸送大企業エバー・


グリーンのエグゼブティブだった人で、敗戦直後


には米進駐空軍の千歳基地の副司令官だったとい


う。今回出発前にお知らせしようかとも思ったの


だが、ご老体を煩わせてはと控えさせていただい


たのが虫の知らせだったのか!


心より、ご冥福をお祈りしたい。


ワシントンDCも朝が早い。税制優遇措置があるた


め確か住民の70%以上を黒人が占めるから、勤め


人が帰ってしまう夜間の市街地は黒人ばかりになっ


てしまうという。それでも、朝はきちんとした身


なりのサラリーマンがビルに入って行く。


歩きながら食べる果物やパンを置いた屋台も開い


ている。ニュウヨークと違って街はきれいで清潔


である。