2020年7月14日火曜日

⑲京城中学仲間

僕の父の父、つまり祖父とその弟が大正のスペイン

風邪(ウイルス)で一度に亡くなったので、12歳

の父は京城の祖父の妹の新婚の婚家NK家に預け

られることになった。

やがてNK家にも長女、次女、三女、長男、四女、

次男が生まれ父は別格の長男みたいに育てられた。

ずっと一生、皆から(誠兄さん)と呼ばれていた。

だから僕にはNK家の兄姉は叔父叔母である。

僕が京城で小学2年の時、一番年下の叔父が

京城中学に合格した。

当時は名門京城中学合格者は新聞に名前が

出ていた。

ずっと後になって、何かの機会に叔父に見せて

もらった古い京城の新聞には京中合格者の名簿に

梶山季之(後作家)、成田豊(後電通会長)など

の名も見える。

引き揚げ後、作家梶山さんはデビュー作の

「黒の試走車」で登場人物名が京中時代の同級生

の名が多いことに気づいた叔父の知ることになり

梶山さんと再会したという。

今わが家の下の児童公園前に住んでおられる

EGさんは旧制佐賀中時代から引き揚げてきた

成田さんと同級で、大学は東京と九州に行った

と知った。

九大のEGさんは大学の大先輩にあたり、同じ

町内に住むご縁で、成田さんと(お目に

かかったことはないが)叔父の京中の同級生

成田さんとご縁が出来た。

京中時代の同級生仲間はずっとクラス会が

続いているそうで、電通会長の成田さんが

日本経済新聞の連載自叙伝を執筆されていた時

には伯父が切抜き帳を作って仲間に配るほど

仲が良かった。

成田さんは2007年電通会長を引かれてから

間もなく鬼籍に入られた。