2020年4月17日金曜日

夢想カート王国⑲油谷の大山火事

ある日突然、油谷大坊部落南の砂利が峠に
対向する山の頂上が燃え出した。
後になって、そこにあったお寺のお坊さんの焚火の不始末だったと噂に聞いたから、
晩秋だったろう。
夜に見える火の色と、立ち上がる煙は
延々と一週間以上続いたと記憶する。
大人たちは、大坊や新別名の民家に燃え移るのでは?と心配したが、敗戦後の消防ポンプも不足時代に、懸命の消防が実ったらしく、部落手前で鎮火したらしい。
それから一年以上経ってからだと思う。
渡場の大橋の袂にも托鉢着の背の高いお坊さんが托鉢に見えるようになった。
噂ではあの山火事のお寺のお坊さんのお寺再興の托鉢だと聞いた。
後になって、あの姿は山頭火さんではなかったかと思ったほどのイメージが重なった。

僕が長じて、ロスアンジェルス近郊に出張した時、度々大規模の山火事があるヴァリーの一週間以上のヘリコプターによる連日の消火を実見して、驚いたことがあったが、2011年の福島の大地震原子炉事故でのヘリコプター注水をTVでハラハラと見たのを思い出す時、災害は忘れた時にやって来るという寺田正彦さんの言葉を噛みしめる。
大坊の山火事の思い出は、今でも思い出す山火事の怖さである。
長門市に大規模山火事が起こらないよう切に祈る。