2020年4月16日木曜日

夢想カート王国⑱長門の疫病史

長門市の疫病対処の歴史は詳しく知らない。
ただ今の長門市に自分が住んでいた高校時代までに経験した最大の事件は、石原小学校時代に起こった日置村(当時、現在は油谷)掛渕のコレラ発生だった。
多分小学5年の時だった。それまで学校に貴重な漫画本を持ってきてくれていた津村くんが亡くなった。
網元だったのか、裕福な家だったようで、当時出てきた手塚治の鉄腕アトム、戦前からまだ残っていた冒険だん吉、タンクタンクロウ、ノラクロの上等兵、山川総治の少年王者?等をクラスに持ち込んでくれていた。
自分がいつも読み役で、級友たちが山のように僕の机に折り重なって見ていたのを思い出す。
渡場部落から鵜の石?部落など、掛渕に至る全域が外出禁止になり、叔父の商店も営業停止になった。
学校では手洗いが実施され、生ものを食べるのが禁止になった。
ある日、新別名奥の火葬場に葬列が出るというお達しが出て、掛渕から車力に棺桶を積んだ葬列が町を通るのを戸板の隙間から覗いた。
当時でも秘密結社kkk団の噂が恐れられていて、kkkの目穴だけの頭からすっぽり冠った黒マント姿の付き添い役人?達が先導する葬列が黙々と進んだ強烈な思い出がある。
多分デマだったろう。「密航の朝鮮人が・・・」という話が広まった。けれど、真相は分からない。
今日、全国的な新コロナウイルスの非常事態宣言が発令された。
首都圏と同様、人の動きの制限は長門市にも及ぶだろう。
あのコレラでも10人以上の死者があったように記憶する。
安全を祈る。