2020年4月13日月曜日

夢想カート王国⑰免許返上年齢

忘れもしない、新橋の居酒屋で脳梗塞発作で倒れてもうじき満15年になる。
久しぶりに会社時代の部門も年も違う仲良し4人組の飲み会の席だった。
飲み始めてすぐにロレツガ回らなくなって、会を早々に閉まってタクシーで横浜まで友一人が送ってくれた。
車中、人の言う話は分かるが、僕のは話にならなかったそうだ。
着いてすぐ4km離れた南部病院夜間救急に、息子の車で入り、3カ月入院した。
10月になって、右麻痺後遺症は残るが闘病記を書くためにホームページを立ち上げ、30年来の車免許を障害免許に申請した。
ハンドルに回転ノブ治具を付けるが、家人は運転を怖がるし、自分でも安心できず、翌年免許を更新しなかった。
何とか杖で歩けたので、何年かバスと電車で絵仲間と安曇野や八ヶ岳高原にスケッチ旅したり、北海道に温泉旅したりしたが、次第に200m~500mの最寄りのバス停や通院まで歩くのが億劫になり、介護保険の電動カートをレンタルした。
以来、カートの良さに気づき、体に自信がなくなりつつある男女の仲間たちの外出や、クラブ活動交流を楽しんで、若さを保つのに効果があることを実感して、仲間を増やしてきた。
都会に住む僕が言うのだから、特に交通機関が車しか頼りにならなくなった僕の故郷の辺地にいる人たちの足として、高齢者福祉と町の活性化を図る手段として、最も安く、手っ取り早く着手できる、歩く速さの安全交通手段として採用するのが効果的だと確信するのだ。
都会では高齢者のアクセルとブレーキペダルの踏み間違え、走行レーンの逆走、ブレーキ反応の遅さ、駐車ミス、等の大事故が多発し、高齢者の免許返上にプレミアムを付けて奨励しているが、辺地では車なしには買い物や通院が出来ないからと言って免許返上をためらう。
しかし、今僕は電動カートは車の代わりというよりも、昔の人たちが世の中を人の歩く程度の速度で生きてきた実感を楽しめるようになった。
横浜では自宅から東方向には中華街の隣の12kmほどの元町公園の花見に往復4時間で行けたし、南には10kmほどの三渓園に行けるし、4km弱の磯子区役所、公会堂には片道40分、西にはやはり4kmほどに横浜市南部病院に1㎞10分で往復できるのだ。
ノーベル賞をもらったリチュウムイオン充電池のお蔭だ。
前夜普通の100v家庭コンセントにコードを繋いで充電すればガソリンなんか要らない。
年取っての自転車は転ぶと一大事。電動カートがお勧め。