2020年3月29日日曜日

夢想カート王国⑥高齢者生きがい増進

僕ら世代には今も通じる1里という距離感覚がある。
長門市内のJR駅間距離は大体4km。1里だ。
吉田松陰、高杉晋作先輩たちが日の出から日没までに歩いた距離が10里~12里だろうと言われる。
昭和30年に大津高を卒業直後、同級生数人で松江まで徒歩体験旅をした。
学生服と水中眼鏡と釣り具を入れたボストンバックで。途中腹が減ったら潜ってサザエや魚を取ろうと言う訳だ。
当時は食糧難で米は食券を持参しなければ食べられなかった。
今の車利用の人たちには40kmは大した距離ではないと思うだろうが、フルマラソンほぼ2コース距離を一日かけて走ると思えば想像はつこう。
一週間歩けば松江に着くだろうと思った計画は、半分以上は旅芸人座のトラックや益田高校の柔道場の厄介になったり、人々のお世話になって、最後は暑い松江の夜の競輪場コース上に寝かせてもらって終ったが、昔の人たちの移動手段の厳しさを実感した。

長門市は全般的に駅中心に奥地でも一里半径以内に入っている気がする。
向津具半島でも、人丸駅や古市駅からでは少し無知はあるが拠点を掛渕あたりに置いて乗り継げば十分、一里範囲になる。子どもの頃には、渡場の叔父の商店の盆暮れの掛取り(昔の商売は盆暮れ払いが多かった)に大きな荷台が付いた自転車に乗って行ったことがある。
一里範囲は復路が無ければ、カートの遊びの余裕ある行動範囲だから、カートポストを設置すれば全域カート王国になる。
角山の丘の上からは手長島が浮かぶ油谷湾が一望でき、道々は緑濃き海の景色が堪能できる。
大浦、川尻、後畑の三方にもアプローチできる。棚田のある狭い車道で駐車場の心配しないでゆっくり油谷の自然を堪能出来ると思う。
今は古市駅からカートで千畳敷経由、東後畑の遊びも出来よう。
何よりも、地元に限らず戦い終わった高齢者たちが、車免許を返上しても社会行動することにより、元気と精神的若さを失わないのが主な目的メリットだ。
若い人たちには想像力の問題だ。
もしも車が無かったら?と常に想像出来ているかが未来の社会を創造する。
僕ら世代の大失敗は、車の便利さに魂を奪われ、電車やバスや路面電車などの公共機関を田舎から追い出してしまったことだと思う。
行く行のカートはスマホとGPSで車より安全な自動運転の時代が来よう。