2021年1月14日木曜日

(62)草枕スケッチ帖③


  団体でツアーをしながら報告写真を撮ったり、


スケッチをしたり、買い物を楽しんだりとナ皆


と同じように同時に全部やるのは難しい。


欲張りだから、勢い皆と歩調が少しずつずれる。


だから一人離れた行動で不義理をするときもあ


る。 かと言って、バスに乗り遅れたりすると


もっと大変だから周りの動きも常に視野に入れ


ておく必要もある。


 だから描きたい所でも時間がない所では写真


だけである。 写真を撮ると見たものの細部は


印象には残らない。 5分でも10分でも描けば


柱の数やエンタシスの模様なども思い出すこと


もできる。 写真を撮っておいて、後でそれを


見て描くということもないではないが、これは


あまり楽しいことではない。


 道具はいたって簡単である。表がポストカー


ドになっている上質のケント紙の画帳と携帯用


の固形水彩絵の具、小筆やエンピツやペン、写


真フィルムのケースに入れた水などである。


 自称従軍記者として公式行事以外の絵日記を


綴ってみようかと思っているわけである。


 志は高くても、何せアマチュアだ。 上手く


行く保証もないし、人様の鑑賞に耐えられない


かも知れない。 


ロンドン セント・ポール・カテドラル。