2018年1月11日木曜日

北海道日高山脈幌尻岳

夜中に目覚めてトイレに行った。
早く寝たせいか、日付が変わったばかりで、ベッドに戻らないでTVを点けた。
ちょうど百名山の北海道日高山脈幌尻岳特集だった。
幌尻岳に登ったことはないが、旧静内町の第7師団高射特科連隊に初めて行った頃の強烈な思い出がある。

そのころ、北海道知事は革新寄りの横道さんに代わったばかりで、特科連隊で新しいロケットの実用試験を始める環境は未知数だった。
砂川闘争などがあって間もないころだったから、自衛隊の官も試験に労務借り上げで参加する民=会社も騒ぎを恐れていたらしい。
わ々会社の出張員も旧静内町には泊まらず、隣の旧新冠町(ニイカップ)の古宿に泊まった。
特にその頃から静内には、競馬馬の市が立つっていたので、全国から博労が札束を立てるほどの金を持って集まるという噂で、静内の街は景気が良く見えた。 
ある朝、レンタカーで東静内の海浜の射場に行くと、連隊の人たちが実験のテントや器材に大きい対空偽装網(バラクーダ)を架けていた。
なんでも、札幌の北海道拓殖銀行の頭取さんが幌尻岳に単独登山してクマに襲われての遭難らしいというのである。
幌尻岳が静内の奥の日高ダムの更に奥にあるから、遭難救助ヘリや人員の基地になるらしいと知った。

そこで、実用試験が上空から見えるのを避けたのだろう。

その後、奥の日高ダムには何度もレンタカーを駆って危険な崖路や工事中の道を走ったのを思い出す。
タラの芽を採りに地元の人と更に奥に入ったことはあるが、幌尻岳には行き着けなかった。
しかし、TVの百名山のアプローチは全く違って、その頃鉄道があった終点の日高駅の方からだったようだ。
遭難を恐れてか、ルートは詳細には映していないように思えた。

あれから20年以上も経ち、毎年の第7高射特科連隊のミサイル発射実用試験は公開され、市長さんたちも招待されて一般市民も見学出来るようになったのだから、隔世の感がある。